H16後期【授業モデルの実践計画・兵庫教育大学・八並光俊】
■ 授業科目: 「生徒指導論演習」(学部生対象・1単位)
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授業内容: チームサポート実践力育成プログラム
(1) 授業目的
現在生徒指導では、不登校・問題行動ならびに特別支援教育を視野に入れたチームサポート(文部科学省では、サポートチーム)実践が期待されている。チームサポートは、〔アセスメント(児童生徒理解)→個別援助計画→チームサポート実践→チームサポート評価〕というシステマティックな実践過程をもっている。今後、教師になろうという学生には、特にアセスメント能力ならびに個別援助計画の作成能力が要求される。同時に、学校外の教育支援センターをはじめとする関係機関に関する知識、個人情報保護法に関する知識などが要求される。そこで、本授業では、こうした近い将来現実化し、定着するであろうチームサポートの実践力を、実務家教員の協力を得ながら育成したいと思っている。
(2)授業内容
1)チームサポートの社会的背景と生徒指導における意義
2)生徒指導(クールカウンセリング)に見るチームサポート実践
3)チームサポートの理論−チームサポートのプロセス−
4)アセスメントシートを活用したアセスメント演習(T)
5)アセスメントシートを活用したアセスメント演習(U)
6)アセスメントに基づく個別援助計画の作成演習(T)
7)アセスメントに基づく個別援助計画の作成演習(U)
8)インフォームドコンセント及び個人情報保護法
(3)授業開発の留意事項
1) チームサポート実践では、専門的な知識と実務が要求されるため、実務家教員にも教師リーダー的資質が必要である。実務家教員は、教職経験10年以上で、なおかつ校務分掌で生徒指導・教育相談・進路指導等を担当していること。また、カウンセリング・教育相談に関連する専門的ライセンスを保有していること。
2) チームサポート実践を裏づける理論や実践の集積は、H15年度までに行っている。スクールカウンセリングにおけるチームサポートの理論ならびに実践については、3年前のアメリカスクールカウンセラー協会との共同研究ならびに2年前のカリフォルニア州でのSARB(School Attendance Review Boards)研究で蓄積している。また、日本のチームサポートについては、文部科学省、国立生徒指導研究センター、生徒指導学会、学校心理学会ならびに個人研究(八並光俊「チームサポートの理論と実際」『月刊生徒指導』連載および文部科学省科研・特別研究等)で蓄積している。
3) チームサポート実践力実践力育成プログラムの開発については、H16年前期に協力していただく実務家教員と事前連絡をかさねて実施内容・方法等の決定を行なう。